夏の恋人ーーSHISHAMO4収録曲 その1
「SHISHAMO4」、唯一のシングル曲である「夏の恋人」について語っていく。
「夏の恋人」はシングル曲であり、MVが制作され、ストーリー性が他の曲に比べ、かなり強いと思うので、2段階に分けて綴っていこうと思う。
今回、その1では、MVについて感じたことを書いていく。
この「夏の恋人」は記憶によると、ロケ地は千葉方面らしく、どこか自然に満ち溢れている。
まず第一に気になったことは、SHISHAMOのボーカルである宮崎しか、基本MVには映っていないことだ。
これまでの楽曲のMVでは、ドラムの吉川やベースの松岡が宮崎と均等に映っていたのが特徴だった。それと並行するように、若者にある程度知られている女優をMVに起用してきた。
……が、今回のMVではその法則を破っている。
始まりから、終わりまで全てが宮崎朝子なのだ。
ギターとともに、電車へ乗り、ホームに座り、どこか憂愁溢れる潰れかけたコンビニでアイスを買い、子供たちを眺め、海へ向かう。
歌詞そのままのイメージをどこまでもMVに反映している。
個人的に、SHISHAMOのMVの完成度は高いと感じているものの、2016年に発表された「みんなのうた」や「中庭の少女たち」のMVのちぐはく感に、どこか納得いかないぶぶんがあったので、今回のMVの出来には圧倒された。
高い完成度を感じるとともに、この時期からボーカル宮崎朝子の個人プレーが良い意味で目立つ。(オハラブレイクしかり、大阪城ホールや野音での「夏の恋人」の弾き語りしかり)
バンドという概念を超越するための伏線ではないか、と勘ぐらずにはいられない。