夏の恋人ーーSHISHAMO4収録曲 その2


 前回、「夏の恋人」のMVについて語ったので、次は曲単体について、この場を借りて語っていく。


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 初披露されたのは、おそらく2016年の大阪城ホール野音。当時は、バンド形式ではなく、宮崎朝子単体によるアコースティックギターによる弾き語りで披露された。

 筆者は大阪城ホールへ足を運んでいなく、野音にしか参戦していない。


 とりあえず第一に印象的だったのは、なんといっても、ドラムの吉川やベースの松岡を除いた弾き語りという形式。2016年の春ツアーで、アコースティックコーナーが新たに形成されたことから、なんとなく予想はしていたものの、早くも実践するとは思わなかった。


 野音ということもあり、会場の木に止まる蝉の鳴き声が、宮崎朝子が奏でるギターの音と歌声、歌詞をさらに彩ってくれる。またさらに、晴天の空と夜空がそっと見守るように、会場の上にそびえていた。(※野音は夜空編と青空編の二構成)


 これほどになく、最高のコンディションで披露された「夏の恋人」はまさしく、衝撃的だった。

 歌詞にも「蝉の鳴き声」や「大人になんてなりたくないな」、「いつまでもここにいたいけど」というフレーズがあり、筆者の状況とリンクしている部分があり、感情移入しそうになる。


 歌詞の解釈については、人それぞれだと思うので、あまり多くは書かない。


 けれど、恋人でもただの身体の関係でもない相手に対して思い悩む人間と、大人と子供の狭間で葛藤する人間を「夏の恋人」は上手く描いていると思う。


 歌詞を深読みすれば、するほどSHISHAMOが作品性が成熟したと感じられるし、シングルとして出す意味を考えさせられる。


 過去のSHISHAMOの夏ソングと比較しても、それがよくわかるのではないだろうか。ある種、SHISHAMOにとって夏に出す新曲は挑戦を意味するのかもしれない。


 本格的な音楽活動を示すーー君と夏フェス。

 メロウで一般受けはしないように思えるーー熱帯夜。

 バンドという概念を超越しようと試みるーー夏の恋人。


 どれも、クオリティーが高く、優劣がつけられない三作品だと思う。